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創造力の芽を育てる

 昨晩は七夕でしたが、夜空を見上げても、ここ横浜からは天の川も織り姫さまもひこ星さまも見られませんでした。「というか、居ないだろ!」と怒られてしまいますよね。

「オトナって、サビシイ…」

 そうなんです。大人になるとイマジネーション(想像力)が急激に乏しくなってしまうんです。世の中では、「イノベーションを!」なんて言われているのに、「織り姫も想像できないんじゃ無理だよ!」って思ってしまいます。

 もちろん、僕の頭の中には、織り姫さま、しっかり絵描けてますよ。

 (誰とは、あえて言いませんが)

  

 ところでこの「想像力」、子どもの頃はみなさんも持っていた気がしませんか。たぶんそれは、「知らないこと」や「見たことのないもの」がたくさんあったからではないでしょうか。自分が知っていることを一生懸命組み合わせて、色や形、音や動き、におい、までも想像できてしまうからなんだと思います。

 

 いろいろなものを創り出す、「創造力」はどのような力でしょう。僕は、未知のモノを想像する(つくる)と、自分の知る限りの知識で組み立てる(つくる)でできていると思っています。「つくる×つくる 力」のダブル「つくる力」ですね。「組み立てる力」は知識や年齢が増してトレーニングを重ねれば身についてきますが、「想像する力」は、「自由に思い巡らすこと」、「さまざまな視点で発想すること」ができる力や直感的な「ひらめき」の力なので、誰にもあるけれど個人のセンスによるところが大きく、簡単には身につけられません。では、どのようにお子さまから引き出し、育てたらよいのでしょう。

 

 ミサミサ先生は、「私は子どもたちに創造力(想像力)のいろいろなタネを植えてるの。」と言います。じゃあ、植木鉢やその中の土は何?水や肥料はどうするの?と聞いてみます。

「植木鉢は家庭環境ね。土はその子が元来持っている性質や能力かな。頑張って芽を出せるように一番多くの時間を一緒に過ごすご家族が関心を持って、声をかけ、寄り添ってあげることが水や肥料をあげることなの。」

「例えば、アトリエで潜水艦を作ったとするでしょ。家ではお子さんが何を一番頑張ったのか、工夫したのか、面白かったのかを聞いたり、親子でいっしょに潜水艦から連想する海や深海の生き物について話したり、未来へ空想を広げたり、実際にもう一度自分が作ってみたい潜水艦を作ってみたりすることが水や肥料になるの。」

「芽が出てきたら、ご両親とアトリエがレッスンを通して一緒に、その子らしく育つようにすることも、とても大切ね。」

 ニョッキクラスでは、お子さまが「作りたい」という気持ちから始めて、好きな工作や絵を通して今まで体験したことのない発想の視点やひらめきのタネをレッスンの中で植えていきます。

 

 未知のものがたくさんある時期は、創造力(想像力)の芽が一番育つ時期でもあります。アトリエであっても、ご自宅であっても、遊びや普段の生活の中にもそのチャンスはいくらでもあります。そして、この力は、何かを創造する時の基礎となるだけでなく、実は他人や周囲に配慮するといったコミュニケーション能力にもつながる大切な力なのです。お子さまの想像力、しっかり育ててくださいね。

 

タクタク